先輩×後輩
全校生徒が楽しめるよう委員主体で企画・運営。
みんなをまとめた経験が、将来の力に。

後輩沢谷くん

先輩石渡さん
体育祭実行委員の活動内容を教えてください。
体育祭実行委員は、5月の体育祭と10月の球技大会の企画・運営が仕事です。1年間の流れとしては、毎年4月に委員会を立ち上げ、1年生は上級生に教わりながら体育祭の準備に参加します。体育祭が終わると3年生は引退になるので、次期委員長を決め、1・2年生で球技大会に向けて準備をスタート。球技大会が終わったら、すぐに翌年の体育祭の準備を始めます。体育祭に関しては、種目などに生徒の希望をできるだけ取り入れられるよう、事前にアンケートを実施します。
アンケートには様々な意見があって…。なるべく多くの生徒に楽しんでもらいたいというのが委員会の思いなのですが、たとえば運動が苦手な人たちへの配慮というか工夫が、頭を悩ませたところです。伝統の種目として、ダンスを競うパフォーマンスの部、大きな布にチームで絵を描くバックの部、そして運動主体の競技の部があり、これはみんなが楽しめているので受け継いでいこうと委員の意見が一致しましたね。
種目や時間配分など、みんなで話しあっては先生に相談し、ダメ出しされてまた話しあって…。正直、本当に大変でした。先輩たちの時代は3年生が主体で動かしていましたが、私の代では1・2年生も話し合いに巻き込んで、どんどん発言してもらうような体制に変えて、課題を共有するようにしました。
幹部として、先輩方のやり方をそばで見てこられたことは本当に良かったなと思います。でも1年生の時の球技大会は、学年ごとにまとめていくので、僕ひとりで1年生約300人を動かさなくてはならず、これは大変だった。なかなか指示が通らなかったり、自分が出る種目がある時の委員の役割分担の調整もあったり…。
わかる(笑)。ずっとバタバタ大忙しだよね。球技大会は、ドッヂボールを初日に行い、学年ごとに違う会場でサッカー、バスケ、バレーの各種目を実施するのですが、ローテーションで会場を移動するので時間配分に苦労します。いろいろ新しい企画も取り入れたいと頑張りましたが、2日間でスムーズに運営するという制約があるので、なかなか実現するのが難しい…。でも、特にスマホの使用は委員間の連絡に便利だし、友達と一緒に撮影もしたいので、来年はぜひとも実現したいと思っています。
スマホの使用は僕の代の課題です。ルールをしっかり決めた上で、行事でのスマホ解禁を目指します。
スマホ問題(笑)。高校生活でスマホが使えないことに関しては、ほとんどの生徒が入学当初には不満をもつと思うのです。他校は自由なのに、って。
僕も本当にそう思っていたのですけど、いまは逆にない方がいいかなって思うようになりましたね。
私もそうです。他校の友達の話を聞くと、休み時間はスマホだけになってしまうそうだけど、私たちは友達同士ですごく話す。顔を見ながら、直接おしゃべりできるって、麻布だからできたことなんだって、いまは良い環境だと思うようになりました。
自由にスマホが使えると、それに縛られてしまい、かえってコミュニケーションがうまくいかないこともありそうですよね。麻布はちゃんとした考えをもっている良い人が多いから話すことが楽しいし、常によく話しているからか、校内があったかいというか、フレンドリーな雰囲気です。クラスはもちろん、この体育祭実行委員会や部活など、どのコミュニティでも優しくて頼れる仲間がたくさんいてくれて、充実した高校生活が送れています。
体育祭実行委員長を務めて得られたことを教えてください。
苦労がある分、達成感も大きくて、体育祭実行委員の委員長をやれて良かったと心から思います。私はソフトテニス部の部長も務めさせてもらっていますが、部活はテニスが好きな人が集まっている小さなコミュニティです。部長の仕事は簡単なことではありませんが、同じ目標に向かってきっとみんなもついてきてくれるという安心感がありました。でも…、体育祭実行委員は全校生徒が対象ですから、すべてスケールが違います。
僕は小学校中学校でも体育祭実行委員をやりましたが、麻布の体育祭はレベルが違いますよね。文字通り生徒が主体になって動かしていくので、大変だなと思ったことも正直ありました。でもこの経験によって自分に自信がつきました。
私もです。委員長になって、全体をまとめる力、ぶつかった壁を乗り越える力、もちろんリーダーシップも養われたと思います。そしてリーダーシップとは表に立つだけではなく、裏の仕事が本当に大切なのだということも知りました。仲間に対しても全校生徒に対しても後ろからフォローすること、そしてその際に全体を平等に見る力も欠かせないということ。多様な意見に耳を傾けながら、折り合いをつけてひとつにまとめていく。人生にとって良い経験をしたなと思います。
たしかに。企画の段階では、多数の思いと少数意見のバランスをどうとるかなど、様々に配慮しながら自分たちで考え、解決していかなければならない。そういう壁がいくつもあって、それを自力で乗り越える経験というのは、リーダーにならないとできないことだったのではないかと思います。また、僕は、いろいろ質問された時になんでも答えられるのが委員長だと考え、頼られる人にならなきゃとずっと思っていて、予定を読み込んだり、競技のルールを頭に叩き込んだり、自分なりに頑張りました。なんといっても、委員長は委員100人をまとめ、全校生徒1000人を動かす。なかなかできない経験です。リーダーシップが試されるというか。この経験は、将来必ず生きてくると思います。
麻布で3年間過ごしてきて、すべて自分次第なんだとあらためて思いました。入学したばかりの頃はそれほど積極的な生徒ではなかったのですが、まずは自分から一歩踏み出さなければと思って、体育祭実行委員に立候補し、部活にも入った。そこで頑張ったことを見ていてくれる人たちがいて、委員長や部長を任せてもらえました。頑張ったからこそ、すごく濃い3年間になったし、この経験は私だけのものだと胸を張って言えます。自分の道は自分で正解にする。そういう思いで、これからも生きていきたいです。
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